[A00-0019] 若宮神社(わかみやじんじゃ)
神社誌№A00-0019
神社名 若宮神社(わかみやじんじゃ)
社格  村社
鎮座地区福岡市
所在地 福岡市若宮町
メモ  
祭神豊玉姫命
由緒不詳、明治五年十一月三日村社に定めらる。社説に曰く、若宮神社略縁起には福岡市大字今泉八反田鎮座、御祭神は豊玉姫命にして海神の御娘、天津日高彦火々出見尊の皇后にして鵜草葺不合尊の御母神、神武天皇の御祖母の当らせ給へり。
此の神は海上安全商売繁昌竝に夫婦和合安産育児の守護神として世に崇敬せられ給ひ、当社の御鎮座は、聖武天皇の御時冷泉の津に内外船舶出入盛なりしにより、海上安全当地鎮守の神として今を距ること約千二百年前今の市内萬町の地に鎮座ましませり、(本社の遺跡あり)
其後薬院町に御遷座ありしと伝へらる(薬院町は上古施薬院を置かれし所なり)。又慶長年間黒田長政公清浄の地を撰び今泉八反田に宮所を移され代々崇敬浅からず、近くは長成公奉賽の為御染筆(稜威)の額面を奉納せらる。
筑前国続風土記に曰く、薬院町にあり、祭る所の神は海神の娘豊玉姫也、古昔は毎年九月十二日に住吉の神輿此の宮迄下らせ給ひ爰に一宿し給ふ、翌十三日に御帰座あり、祭礼も住吉と同日なり、住吉の相殿に葺不合尊おはします、民俗は此神を称して住吉の母神也と云ふ、若宮と称するは住吉の御子のやうに聞え侍るいぶかし、今は住吉の神輿わたらせ給ふことは絶たりと云へども、九月十三日にかたばかりの祭礼を執り行へり其の社僧の坊舎を施薬山延壽寺正全院と号す。
福岡県地理全誌に彦火々出見尊と約しし事違ひしとてふつくみて海に隠れ玉ひけれども、万代不易の神なれば社を号して若宮とは申し侍るとかや、其は住吉宮の神輿神幸あり住吉相殿の葺不合尊の母神観礼し給ふ意なり、昔は萬町にあり、社の辺まで潮来る、築城の時移る、正徳三年現地へ遷座、水徳の神なり、薬院の囘禄に神体危なからず宮司正全院の開基せる正全院は真言仁和寺末にして施薬山延壽寺と云、明治の初め廃す。若宮大明神縁起に延宝戌午の年此町に同禄の災侍りしが、所せまく作りならべし商家の側にある御社なれば、火災まぬがれ玉はずといふとも、水徳の御神なればにや、火敢て神体に近づかざること不思議なれ(中略)人皆此の神の御徳に感応して父子孝順、夫婦和睦、育児平安、子孫繁昌して、是をおかして大成に及しなば、国安く天下平にして聖壽万歳、大将軍武運長久君国苗裔ますます繁昌ならん事是必然の理也。
特殊祭事満二十年毎に式年遷座を行ふ。
例祭日十月十三日
神饌幣帛料供進指定大正五年十月十二日
主なる建造物神殿、渡殿、拝殿、社務所
主なる宝物神鏡一面、太刀三口、縁起一巻
境内坪数五百二十三坪六合二勺
氏子区域及戸数若宮町、今泉町、渡辺通、薬院町、上萬町等計十三箇町。戸数約七百戸
境内神社恵比須神社(事代主神)、大神宮(天照皇大神)、稲荷神社(宇賀魂神)、厳島神社(田心姫命)、菅原神社(菅原神)、事比羅神社(大国主神)、豊受大神社(豊受姫大神)、厳島神社(宗像三神)
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