[0475] 春日神社(かすがじんじゃ)
神社№  0475
神社名  春日神社(かすがじんじゃ)
神社別名  
参拝日  2012/12/02
再訪日  2020/06/02
社格   県社
その他社格 
ご祭神  天児屋根命、武甕槌命、経津主命、姫大神
由緒等  
春日神社

祭神
天児屋根命
武甕槌命
経津主命
姫大神

由緒(縁起による)
天智天皇皇太子としてこの国におわします時、この地に天児屋根命を祀り給える神籬の跡と言い伝う
神護景雲二年(七六八年)藤原田麻呂太宰大弐として太宰府に在りし時、大和国春日より、武甕槌命、経津主命、姫大神の三柱をこの神籬に迎え併せ祀り、社殿を創建して春日大明神と称え奉る
天正十四年(一五八六年)島津勢の兵火にかかり、社殿、末社、宝蔵、古文書等一切が焼失した。
寛永四年(一六ニ七年)知行領主黒田美作一成により社殿が再建された。その後元禄九年(一六九六年)に改築されて現在に至る。
鳥居は宝永七年(一七一〇年)黒田美作一利により奉納されたものである。

例祭
四月十五日 春籠の祭
七月十五日 夏籠の祭
十月十日 秋季例大祭(宮座)

婿押し祭り
一月十四日夜 重要無形民俗文化財(国指定)

春日の婿押し

福岡県無形文化財 昭和三十四年三月三十一指定(国指定により県指定解除)
重要無形民俗文化財(国指定) 平成七年十二月二十六日指定

婿押しは、数百年の歴史を経ると伝えられており、古来から一月十四日夜、春日神社氏子中、三期組合が中心となって行う年中行事です。
前年に結婚した新郎・新婦を宿(公民館)で披露し、婿を拝殿と境内で、「祝い歌」を歌いながら揉み、最後に若水をかけて祝福する行事と、五穀豊穣と開運を願っての樽せり、さらに農村社会のさまざまな伝承行事が複合された、全国的にも珍しい貴重な民俗行事です。

主な行事の順序と内容
1 左義長点火
2 宿の行事(花婿挨拶・花嫁熨斗出し・前酒・婿と婿抱きの盃)
3 樽せり
4 お汐井取り
5 婿押し(婿揉み)
6 若水祝い
7 千秋楽

春日市教育委員会

春日神社と周辺の史跡

●春日神社
この神社はむかし、中大兄皇子(後の天智天皇)が天児屋根命をまつったことに始まると伝えられ、古くから行われている小正月の行事(春日の婿押し)の舞台となる所としても知られています。
江戸時代この地は、三奈木黒田家の所領地であり福岡藩ゆかりの寄進物も多く残っています。また、境内に高く繁る樟は、「春日の杜」として県の天然記念物に指定され、枝にからまる藤が春には美しい花を咲かせます。
境内北端の博多承天寺の末寺、大光寺の跡には世話人によって十三仏が安置されています。

●地禄天神、三郎天神と九郎天神
地禄天神、三郎天神は字下居屋敷と字上居屋敷にあり、ともに土をつかさどる神、埴安命を祭ったもので、今もそれぞれの地区でお座が開かれ信仰されています。
九郎天神は、以前は黒男大明神といい、御潮井橋のほとり、神木の大楠のそばの祠にまつられています。
三つの天神は、春日神社の末社とされています。

(三郎天神)お産の神様として信仰厚く、村の人はお産が始まると祠の扉を開けて安産を祈った。
(九郎天神)昔はオクロウサマと呼んでお座もあったようだ。今は、「婿押し祭」のお汐井取り場となっている。右側の楕円形のみかげ石は初摺石と呼ばれていたが記録では塔玉石という。

●上の地蔵と下の地蔵
上の地蔵は、立江の地蔵、船門の地蔵ともいわれています。
字下居屋敷の下の地蔵は、いぼ取り地蔵、紹運地蔵ともよばれ、両方の地蔵さまは今でもお参りが絶えません。

(下の地蔵)イボ取りにきくお地蔵さまで、願いがかなったらお礼に年の数だけ川の丸石をあげる。
(上の地蔵)四国の立江の地蔵がまつってある。左側の石碑はこの地蔵さまが以前は字フナカドにあったことを伝えている。

春日市教育委員会 1997年3月

春日の杜

天然記念物 昭和三十八年一月十六日県指定

春日の杜は、春日神社境内の十一本の樟で形成した杜をいいます。杜の古さとともに、長い年月を経てきた樹齢が偲ばれます。
いづれの木も樹枝が繁茂し、雄大で、特徴は樹木が近接し、特に三号は二本の樹木が癒着し、一体となっていることです。

(樹木の位置図と一覧表は裏面に記載しています。)

一九九〇年一月 春日市教育委員会

春日神社略記

春日神社 鎮座 春日市春日一丁目一一〇番地

御祭神
天児屋根命(アメノコヤネノミコト)
武甕槌神(タケミカヅチノミコト)
経津主命(フツヌシノミコト)
姫大神(ヒメオオカミ)

若宮社(末社)
太力男命(タヂカラオノミコト)
太玉命(フトダマノミコト)

由緒
春日の里にまします春日神社は、当時の皇太子、後の天智天皇が長津の宮(現在の高宮)に居られる時、この地春日に天児屋根命(アメノコヤネノミコト)を祀られたことに始まります。
神護景運二年(768年)太宰大弐藤原田麿が、春日の地に藤原家の祖神天児屋根命(アメノコヤネノミコト)が祀られていることを知り参拝されその後、大和の国、奈良の春日大社から武甕槌神(タケミカヅチノミコト)、経津主命(フツヌシノミコト)、姫大神(ヒメオオカミ)を迎へ神社を創建されました。しかし戦国時代末期の天正十四年(1586年)七月、戦乱の兵火にかかり社殿、宝物、文書などの一切を焼失してしまいました。その後、慶長五年(1600年)に黒田長政公が筑前国主に任ぜられ、その家老黒田一成公が春日村知行領主となられました。この一成公の祖先も藤原氏であることから社殿の復興を命ぜられ寛永四年(1627年)に再興されました。その後、元禄九年(1696年)には三代知行領主黒田一貫公によって社殿を境内上段に引き上げられ、遷宮の大礼がなされました。以後三百年の年月が流れ、社殿も老朽化が進み、平成八年(1996年)社殿の総改修、境内地整備を行い現在に至っております。境内には福岡四代藩主綱政公や六代藩主継高公奉献の石灯籠、高麗狗、鰐口秋月四代藩主黒田長貞公奉献の庚申面などがあり歴代藩主の崇敬の深い神社でもありました。

春日の婿押し

毎年一月十四日(一九時三〇~二ニ時)春日神社境内

前年に結婚した新郎新婦を祝福する、国指定重要無形民俗文化財の祭り。
子ども達による樽(たる)の奪い合いから、境内の左義長(さぎちょう)に火が入ると、前年に結婚した若夫婦が長老達の目の前で改めて固めの盃を酌み交わす。このあと花婿と男衆が床の間に飾った樽を持ち出し、境内の神池(みいけ)を舞台に勇壮果敢な争奪戦「樽せり」を繰り広げる。奪い取った樽の破片は一年に一度きりの「開運の縁起物」として自宅の神棚に供えられ、開運を祈願する。尚、境内には約二十数店の夜店も出店。
※詳しくはホームページをご覧下さい。

祭事歴
一月一日 歳旦祭
一月一四日 春日の婿押し
四月第三日曜 春籠り祭
七月第三日曜 夏籠り祭
十月第三日曜 宮座祭
十一月十五日 七五三祭

社宝
扁額 仰高祠 明治ニ十一年 寄進
随身 明和四年 寄進
庚申面 永享四年 秋月藩四代藩主黒田長貞 寄進
高麗狗 享保八年 松平筑前守源継高、福岡藩六代藩主黒田継高
石灯篭 宝永六年 福岡藩四代藩主黒田綱政 寄進、寛保三年 福岡藩六代藩主黒田綱高 寄進
春日大明神記録 正徳三年
祭田証書 祭田記 宝永六年 五代家老黒田一利・貝原益軒 奉納

●出張神事
住宅・アパート・ビル等のご新築工事の地鎮祭や入居前の家祓い、その他ご自宅や会社事務所・工事現場などに出向いてお祓いを致します。
(地鎮祭・落成式・上棟祭・家祓い・事務所開き・工事安全祈願・竣工祭・井戸祓い・解体神事・神棚神事・機器清祓い その他)
●祈願・御祓い
当神社にてお祓いを致します。
(初宮詣(お宮参り)・厄祓い・交通安全・家内安全・商売繁昌・合格祈願・安産・病気平癒・身体健全・旅行安全 その他)
●神社での団体・会社祈願
会社の業務繁栄、安全やスポーツチーム等の必勝祈願なども奉仕致します。
※準備の都合上、要予約とさせていただきます。
●神前結婚式
古式ゆかしい神前結婚式。神社拝殿にてのご奉仕です。ご両家合わせて40名のご参列が可能です。
※準備の都合上、要予約とさせていただきます。
●祖霊神事
神道のご家庭の忌祭のご奉仕も致します。神葬祭(葬儀)、年忌祭(佛の法事)などお電話にてご相談ください。
※準備の都合上、要予約とさせていただきます。
●その他
上記神事以外で神社神事・こよみ・人生儀礼・風習など、お尋ね事がありましたら、ご遠慮なくご相談ください。

春日神社社務所
〒816-0814春日市春日1丁目110番地
TEL(092)581-7551・FAX(092)581-7925
URL http://homepage3.nifty.com/kasugajinjya/
ご朱印  
鎮座地区 春日市
郵便番号 816-0814
所在地  春日市春日1丁目110
地図座標 33.521894,130.469293
公式HP  https://www.kasugajinjya.jp/
福岡県神社誌
【社名】 春日神社 [A00-0502]
【所在地】 筑紫郡春日村大字春日字上居屋敷
【祭神】 武御雷神、天児屋根命、斎主命、天照皇大神
【由緒】 天智天皇此国にをはしましける時始て此に勧請のよし云伝ふ。天正の頃兵燹に灰燼す。慶長五年旧藩主黒田長政入国のとき元老黒田美作一成へ下興せしより子孫代々春日村を領して再建寄附等ありと云ふ。明治五年十一月三日県社に被定、昭和四年六月七日県社に列せらる。
社説に曰く、天智天皇筑紫の国に御行幸の時、始めて天児屋根命を勧請の由云伝ふ。其後太宰少弐藤原田麿太宰長官に任ぜられたる時、武甕槌二柱の神を大和国より勧請し合せ祀り春日大神と称え奉る。天正十四年七月兵燹に灰燼す。云々。
【特殊祭事】 一月十四日婿押行事樽換祭を行ふ。
【例祭日】 十月九日
【主なる建造物】 神殿、幣殿、拝殿、社務所
【主なる宝物】 御記録一巻、祭田記二巻
【境内坪数】 千四百五十一坪
【氏子区域及戸数】 春日、春日原 百五十戸
【境内神社】 若宮神社(手力雄命)
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公開日  2012/12/23
更新日  2020/06/28
神社全景[2012/12/02撮影]
一の鳥居[2012/12/02撮影]
一の鳥居扁額[2012/12/02撮影]
社号標[2012/12/02撮影]
古手水舎[2012/12/02撮影]
天然記念物春日の杜[2012/12/02撮影]
天然記念物春日の杜[2012/12/02撮影]
注連掛石[2012/12/02撮影]
由緒書き[2012/12/02撮影]
春日の婿押し[2012/12/02撮影]
春日神社と周辺の史跡[2012/12/02撮影]
境内風景[2012/12/02撮影]
春日の社説明板[2012/12/02撮影]
二の鳥居[2012/12/02撮影]
二の鳥居扁額[2012/12/02撮影]
手水舎[2012/12/02撮影]
手水舎[2012/12/02撮影]
お潮井台[2012/12/02撮影]
神門正面[2012/12/02撮影]
神門[2012/12/02撮影]
狛犬(阿形)[2012/12/02撮影]
狛犬(吽形)[2012/12/02撮影]
社務所[2012/12/02撮影]
社殿正面[2012/12/02撮影]
拝殿内[2012/12/02撮影]
拝殿内[2012/12/02撮影]
拝殿神額[2012/12/02撮影]
社殿全景[2012/12/02撮影]
社殿全景[2012/12/02撮影]
本殿[2012/12/02撮影]
本殿[2012/12/02撮影]
奉納品陳列棚[2012/12/02撮影]
鬼瓦?[2012/12/02撮影]
本殿[2012/12/02撮影]
社殿全景[2012/12/02撮影]
神門背景[2012/12/02撮影]
境内風景[2012/12/02撮影]
境内神社、若宮社[2012/12/02撮影]
狛犬(阿形)[2012/12/02撮影]
狛犬(吽形)[2012/12/02撮影]
乃木大将遺品収蔵之地碑[2012/12/02撮影]
薬師堂[2012/12/02撮影]
薬師堂全景[2012/12/02撮影]
神社前神池風景[2012/12/02撮影]
二の鳥居[2020/06/02撮影]
神門正面[2020/06/02撮影]
社殿正面[2020/06/02撮影]
社殿正面[2020/06/02撮影]
社殿全景[2020/06/02撮影]
厄割り石[2020/06/02撮影]
鬼瓦?[2020/06/02撮影]
本殿[2020/06/02撮影]
社殿背景[2020/06/02撮影]
ご神木[2020/06/02撮影]
境内神社、若宮社[2020/06/02撮影]
 
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