王子神社
この王子神社は天安元丁丑年(八五七)に熊野権現の奥宮として勧請されたもので素戔嗚尊(すさのおのみこと)が鎮座されている。
今では唯一の宗像大社境外直轄摂社であり、例祭は四月三日で古くから厳粛な祭儀が営まれている。現在の石祠は明治十八年に建立されたものである。
また、この王子神社前には宗像郡内の人々に午前、午後の刻を知らせる鐘楼があったと伝えられる。
外敵の進攻に備え自軍の士気を鼓舞したりするために建立されたものであろう。また吊るされた鐘の高さは一メートル三十九センチ、重量は約七五四キロもあり、龍の頭の形をした「つりて」が二〇〇余もあったということである。
これは七九代宗像大宮司氏貞が病気平癒祈願のために大阪の鋳物師に作らせた宗像大社に奉納されたものが、鐘楼建立にあって刻を知らせる鐘となったと云われる。
又この西南百メートルの地には城中の生活用水を賄った金魚池の跡も残っている。
|
|